みんなの旅路 -愛媛小学校WS 1-

In June 2018, we held 4 types of workshop in 2 Elementary School of Ehime, in south-west Japan. This is a report of one titled "Everyone's journey" for all members of the school, about 300 children and teachers. We created a way by connecting what you want to take on a long journey as your life.

In another one for 6th grade children the theme was "Peace Flag" expressing in color and form.


「40分で約300名の全校生徒が参加できるワークショップを」。

今まで様々なワークショップを行ってきましたが、2018年の愛媛県 小松小学校からの依頼はなかなかの難問でした。

愛媛県西条市の小学校でワークショップを始めてから5年目。3つの小学校と1つの中学校の多くの生徒達との交流の機会を頂きましたが、忙しい授業の合間をぬって、全員参加のワークショップの時間を割くことは学校にとってそう簡単なことではありません。


そこで今回、BLANCOが提案したのは「みんなの旅路」を繋ぐワークショップ。

小学校の6年間は、人生という旅路の序盤として、とても重要で濃密な期間です。人生という旅は、今、始まったばかり。今後の長旅に、これは忘れずに持っていきたい、と思うものを1つ選んで形にしてみましょう。「モノ」でも「生き物」でも「気持ち」でも構いません。画用紙に大きく描いて切り取ったものを持ってきてもらいます。旅をお伴する先生方にも、参加を促しました。

それらを床の上に置いて自由な方向に繋げていき、1つの道を作ってみましょう。既に小松小学校での旅路を共にしている子供達による「道」の個性を視覚化する試みです。


全員が描いてきたモノを頭上に掲げてもらいました。

スタート地点として、BLANCOのボッフェッリが旅に持って行きたいモノ「スケッチブック」を配置。これに続き1年1組の先頭さんから6年生まで学年ごとに順番に自分のモノを繋げていきます。

並べる際のハプニングや予想外のプロセスも、ワークショップとして楽しみましょう。



1年生、2年生…カラフルなモノや動物が次々と並んでいきます。

置き終わった人は順に列になって体育館を一周しながら「道」が繋がる様子を見学し続け、舞台から全体を見渡し、体育館 真ん中のスペースを徐々に空けていきましょう。




限られた空間で、300名強の子供たちが一列になって1人1人置いていくのは、予想以上に時間を要し、時間内に終わるかヒヤッとしながらも、道は続いていきます。



学年が上がるたびに、画用紙いっぱいに描いてもらうはずのモノは、徐々に大きさが小さくなり…。好きなモノよりは、機能的なモノが増えてきたようです。6年生辺りになると、懐中電灯、武器、お金…!

 



1年生から6年生まで、ここまで大きく変化が見られるとは予想していませんでした。

低学年時のファンタジーやのびのびした雰囲気が、高学年になるに従って硬さに代わり、旅を維持するための機能/利便性に関するモノが目立ってきます。

好きなモノを率直に表現するおおらかさから、徐々に知恵がついていくこの過程が、まさに大人になる、ということなのかもしれません。



道はうねりながら、続いていきます。

この6年間は、人生のどの期間よりも、多くを学び吸収する変化の時。その歩みを供にする一人一人の個性が、唯一無二の旅路のプロセス、行く末を決めていきます。



人生の旅路は紆余曲折。

短い時間ながら、それぞれのパフォーマンスを伴った動的なワークショップとなりました。



小松小学校では、引き続き6年生のワークショップも担当。この1年「平和」について研究している彼らに、このテーマに関連した取組みを との依頼がありました。


1960年代にイタリアで考案された"La Bandiere della PACE -平和の旗-"を紹介。各自がイメージする「平和」を色と形で表現し旗とする造形活動を行いました。最終的にみんなの旗を繋げて、1つの象徴としての大きな旗に仕上げました。





個性的な校長先生とお話しながら給食をとったり、こころが不安定になった時に訪れる相談のお部屋に案内してもらったり、いろいろなエピソードがありました。

様々な先生や生徒達と個人的にお話できるのは、私達BLANCOにとっても貴重な機会です。

小松小学校は、愛媛県西条市の中でも、特別支援学級に所属する生徒が突出して多いという特徴があるようです。発達障害などがマスコミを通じて認知されるようになり、特別支援学級への認識も徐々に変化しているのでしょう。


次回は、近所の壬生川小学校 5年生及び特別支援学級との造形授業についてレポートします。


関連リンク:

アクティブ・ラーニング型鑑賞授業 @愛媛県西条市立壬生川小学校

巨大お面 -愛媛小学校WS 2- @愛媛県西条市立小松小学校


BLANCO

日本/イタリア/ドイツを拠点にエデュケーショナル/ラーニングプログラムを企画実行するBlanco(ブランコ)の情報サイト。 the website of Blanco: planning and running educational/learning program based in Japan, Italy and Germany.

0コメント

  • 1000 / 1000