2017.10.10 14:33

La Poesia dell’Aria-空気の詩-

"La Poesia dell'Aria" sul tetto Galleria Vittorio Emanuele, accompagnati dalla scrittrice Chicca Gagliardo, laboratorio a cura di Kaori Miyayama, organizzato da Ludosofici + Comune di Milano per "A Spasso con Sofia" 14 maggio. "Aria" è invisibile ma visibile.

A SPASSO CON SOFIA -ソフィアとお散歩- は、家族のための哲学イベント。 4-10歳の子供と保護者を対象に、ミラノの隠された場所を(再)発見しながら、各テーマのワークショップに参加する２日間。作家、アーティスト、音楽家、デザイナー、自然研究者…。個性豊かな彼らに導かれ、大人も子供も「なぜ-Why-？」「なに-What-？」の世界へ。当イベント内ワークショップの１つ「La Poesia dell’Aria-空気の詩-」を作家のキッカ・ガリアルドと美術家の宮山香里(ブランコ)が担当。 5月14日の夕方１時間半ほどの限られた時間内でお散歩とお話、ワークショップが展開されました。

ヴィットーリオ・エマヌエーレ２世のガッレリアはドゥオーモ広場とスカラ座をつなぐアーケード。その有名な観光地の屋根上に最近オープンしたスカイテラスHighline Galleryと、階下の広間がワークショップの舞台でした。

前半は、作家キッカ・ガリアルド率いる屋根上のお散歩とお話。賑やかなドゥオーモ広場や華やかなガッレリアからは想像できない素朴な屋根の上に広がる穏やかなパノラマが印象的。

彼女の著書を引用した”空気-Aria-を知覚する秘訣”をちりばめたお話に耳を傾ける子供たち。「空気の詩人」になりきり、隠された風景、雲の意味、風の色、月の謎など透明で不可視の「空-ku-」を感じるためのエッセンスについてお話するキッカ。広い空と風を全身で感じながら、空気の不可視と可視について掘り下げました。

階下の広間に移動して、後半は美術家の宮山香里によるワークショップが行われました。

空気にたゆたう風船を用いた親子制作。(株)ニトムズに提供頂いた新製品テープHARUを自由に切り貼りして表現してゆきます。粘着テープのみならず、裏に糊のない紙テープや透明テープも混ぜて、表現の幅を広げる試みです。

屋根の上で感じた「空気」の経験と気分を自由に形作り、彩ります。 30分強という限られた時間内で、即興的に取り組む子供と大人たち。親と子のコラボレーションも、人それぞれのやり方、協力の仕方があり、そのプロセスもワークショップの醍醐味です。

目の前に揺れる風船や色とりどりの紙テープを見て、目を輝かせる子供たちが印象的だった今回のワークショップ。前半で不可視の世界を全身に感じながら、詩的なお話を聞いてきた子供達にとって、視覚や触覚を刺激する直接的な素材は大切な要素。素直な感性で直感的に表現してもらいました。

親子の協働作業も、それぞれの形で進行。自然に役割を分担し、形にしていく姿が印象的。

反省点としては、時間がおしてしまい、作業時間が短くなってしまったこと。

本来は、屋根上での散歩30分、WS作業時間60分の予定でしたが、予想以上の参加者数(満員御礼で総勢40名ほど)もあり、全体の動きや移動に時間がかかってしまいました。結果、散歩と話で50分、ワークショップの説明と作業で40分弱。限られた時間で集中して即興作業ができたとはいえ、次の機会では、少なくとも１−２時間をとり、グループ毎にテーマを限定したり、最後に発表の時間をとるなどして内容をより深めていきたいです。

また、風船上に多くの紙テープを貼りすぎると、重みに耐えきれず風船の浮きが悪くなり地面に降りてきてしまうものも。キッカいわく「"空気の詩人"も重力には逆らえない… 」というオチで、全体をつなげ、却って興味深い展開となりました。改めて重力との関係性や「空気って何だろう？」と考えるきっかけになりました。

作家キッカガリアルディ、哲学WSユニットLudosoficiのイラリアとフランチェスコとのコラボレーション、ミラノの隠された素晴らしいロケーションも手伝って、まさに組み合わせの妙ともいえる貴重なワークショップになりました。