精神病院をなくした国イタリア
Abbiamo guidato HAP, un gruppo giapponese di Hiroshima, in alcuni istituti e cooperative dove realizzano progetti territoriali per persone con disabilità psichica e fisica, per profughi e per bambini e anziani. In questo tipo di attività l’Italia ha una lunga storia. Il primo giorno, al MAPP in ex-manicomio Paolo Pini, e nel secondo giorno, fuori Milano, Coperativa Sociale LPK e Punto d’Incontro.
世界で初めて精神病院をなくした国イタリアでは、心身に障害のある人々を地域が受け入れ支えています。1978年 トリエステの医師によってもたらされた改革 "バザリア法"以来、精神病患者の人権を守るため徐々に精神病院入院施設を閉鎖、地域サービスへと切り替えてきました。健常者目線で隔離する治療、支援する/される関係性ではなく、違いをふまえ、皆で補い合いながら生活するという協働の体勢。精神疾患者、障害者、高齢者、子供、移民難民…さまざまな違いを越えた人々が緩やかにつながり、共存できるシステムが模索されています。
今回、広島からいらしたHAPの皆さんに、イタリアの地域サービスの現状を紹介するべく幾つかの施設/組合をご案内しました。初日はミラノの元精神病院入院棟を使った工房と美術館MAPP(パオロピーニ美術館)。
今日まで140-150人の美術家が精神疾患者達と共に、壁画を始めとするアート作品を創ってきたとのこと。森の中のような広い敷地内に点在する元入院病棟が鮮やかな色彩によって彩られています。
館内にはアーティストから寄贈された膨大なコレクションも。
精神疾患でアートセラピーに通っている方々が、アートコレクションの歴史等を詳しく紹介してくれました。元入院病棟内や壁面、屋外の森の中にも作品が点在して見切れないほどでした。
二日目は地域活動の例として、ベルガモとミラノの県境、アッダ川地域のL.P.K.協同組合とPunto d’Incontro協同組合を訪問。
ブランコのメンバー クリスティアン ボッフェッリが創設に関わったL.P.K.(Laboratorio Paul Klee)組合は、精神疾患や心身障害の大人に向けた陶芸や絵画などのアートワークショップを始め、近年ではペットセラピーや農業、保育園や難民受け入れなど、共生のための幅広い活動が行われています。
こちらは長年L.P.K.で精力的に制作を続けているアンナの作品。既に50代になるダウン症の彼女はプロ意識も高く、スイスやイタリアでの個展も実現しています。
5年ほど前から始めたロバを使った動物療法ONO TERAPIAを推進している"Il Campetto LPK"の敷地も訪問。子供達や心身に障害を抱えた人々が、動物の世話をしたり自然と触れ合う場となっています。
ここ数年は、市と協力して80名程の難民達の生活も受け入れており、移民が中心になって農業を実施、彼ら自身の自給自足の支えにもなっているそう。子供達の農業体験ワークショップの場にもなっています。
続いて近くのPunto d'Incontro協同組合へ。こちらは4つの組合が入った大きな施設。
心身に障害のある大人達のために実践的な手作業の訓練をするワークショップ、さらに発展させて自らの表現活動を深めていくワークショップなど、様々な活動が行われています。
素晴らしい線で肖像を描く女性や、自らの暴力的衝動を漫画作品に昇華する男性。彼らは誇らしげに私たちに作品を見せてくれました。
このような地域保険医療体制や協働組合には困難課題も多いようですが、皆さんの生き生きした姿が印象的でした。支援する側とされる側という見分けがつかないほど立場がフラットで、日本の「してあげる」福祉とは対照的です。障害者を隔離しがちだったり、精神病床数が世界一多いと言われる日本にも、学ぶところは多そうです。
このような活動を、日本の地方自治体の方々にも知ってもらえる機会があるとよいなと感じます。
興味のある方は、お気軽にご連絡下さい。
関連リンク:
-MAPP (Museo d'Arte Paolo Pini)の公式サイト http://www.mapp-arca.it
-L.P.K.協同組合の公式サイト http://www.ellepikappa.org
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